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最終更新日:4月14日

レッカー&ロードサービス連絡協議会発足
☆全国2組織とロータス同友会ら4団体で

レッカー業界の問題解決、地位と質の向上を目指すことを目的に、レッカー・ロードサービス業務に携わる全国組織が一堂に会した。9月16日東京のホテルで、全国車載車・レッカー事業協同組合、全日本高速道路レッカー事業協同組合、全日本ロータス同友会のトップが集まり、業種認定や災害救援など業界の課題や、進むべき方向性について意見交換した。この会合の名称を「レッカー&ロードサービス連絡協議会」とし今後も継続して開催していくことで一致した。


自由にものが言え、表現できるという平和が

 生涯初めてデモに参加した。東京の気温が35度を超えた7月31日。「安全保障関連法案に反対する学生と学者による共同行動」で、中学生もいたし、赤ちゃんを抱いた母親の姿もあった。行進そのものはごく短い距離だったが、暑さと声を出す(発声リーダーはほとんど女性)ことで結構疲れた。
集会場で主催者として学者と学生の代表が声明を出した。学者はもちろんだけれども、学生はよく勉強しているなと感じた。戦争で常に犠牲になるのは弱者で、上官の命令に対し反対の声を上げることもなく散って行った多くの先人が今の行動を起こさせているのだと。頭でっかちな歴史認識ではなく、大戦から今なお世界各地で繰り拡げられている紛争について、犠牲になった人に視点を当てたスピーチは心に残った。参加して良かったと思った。

レッカーの専門誌で、政治的な問題を扱うのもどうかと思ったが、産業とか業界というくくりではなく、国として大きな曲がり角に来ていることを、定期刊行物を出している者として、発行媒体に記録しておきたいと考え、この稿を起こした。
また現在はマスコミを代表するNHKと読売新聞が、その視聴者や読者ではなく、現政権に寄り添った報道をしていることが気にかかっていた。戦前、戦中の報道統制であれば情報を遮断することはできたと思うが、現代社会では、内容は一目瞭然、比較できる。一方でつまらない情報はネットやSNSで駆け巡る。たとえば上記の学生が、本名も学校も隠さず発言していることが、悪意(就職活動の邪魔をしてやろうと)を持った匿名の人間にさらされてしまう。
 
衆院で強行採決された安全保障関連法案は、現在参院で審議中だが、これは通過儀礼だろう。心なしか安倍首相をはじめとする政府の答弁が柔らかくなってきたと感じるのは余裕の表れか。はっきり言うと、衆院では無視、参院では、ばか扱いという感じだ。誰をって、国民をである。
衆院で長い時間かけて「要件」についての問答があった。「我が国の存立が脅かされ」「安全が根底から覆される明白な危険」などがその要件で、対して「適当な手段」「必要最小限度」「実力行使」をするようだ。
安倍首相は強い口調で、とにかく「安全でリスクはない」という。それでも野党が食い下がると「正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから」と返し、その同じ口から「(その時の)政府がすべての情報を総合して客観的、合理的に判断する」と応える。小学生が聞いていても変だ!と思うだろう。
トップが、一時の権力で憲法を曲げてしまおうとするから、その取り巻きも勘違いしてしまっている。新しいのは「法的安定性は関係ない」と発言した礒崎陽輔首相補佐官で、これなどホントの本音だろう。国家機密漏洩、特定秘密保護法違反である。
なかでも、政府が事例として引き出したのはホルムズ海峡の機雷除去や、法人を救出する活動をする米艦の護衛などで、前者は時代錯誤、後者は米国の活動として将来もあり得ない話で、争点をぼかしているとしか言いようがないが、野党もマスコミも、これにイラストを描いたりして食いついてしまった。
アメリカは第二次世界大戦の「ヨーロッパ戦線」に派兵した理由を「自衛のため」としている。このように戦争をする理由=要件などは「矛盾」の極みで、後から何とでも繕うことができる。
今度の法案を簡潔に表せば、アメリカへの軍事協力を強化する、ということになる。アメリカは第二次大戦以降も朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラン・イラク戦争、湾岸戦争、アフガン侵攻、常時戦争国だ。
この国への軍事協力(米国は海外活動を縮小し、その分を日本の自衛隊が補う)すると、どういうことが起きるだろう。自衛隊の危険は将来の徴兵制度など、が論争されているが、もっと身近で現実的な危険もある。
マドリード列車爆破テロ事件は、2004年3月11日に起こった。191人が死亡、2000人以上が負傷した。
ロンドン同時爆破事件は、2005年7月7日、地下鉄の3か所がほぼ同時に、その約1時間後にバスが爆破され、56人が死亡したテロ事件である。
この両国は、アメリカに同調してイランやアフガンに兵士を派遣していた。犯行後実行したテロリストの犯行声明は「米国はどこだ。だれがお前を我々から守ってくれるのか。英国、日本、イタリア、そのほかの協力者か?」
日本では7月に新幹線で焼身自殺があり、火災を感知した後緊急停止したが、あれが爆発物だったら、200~300kmで走っていて…。航空機のように手荷物検査を実施することも検討されているが、それではラッシュアワーの地下鉄だったら(2003年2月、韓国・大邱広域市で発生した地下鉄列車への放火事件。192人が死亡、148人が負傷する大惨事となった)…、スポーツ・イベントの会場だったら、明日にも再稼働する、川内原発はじめ50何基ある原発が狙われたら……。
こうなるとアメリカはテロリストに対して報復に動くかもしれない(動かない可能性の方が大きいと思うが)、日本国内の世論も後押しして、今回時間をかけていたような法案がバンバン決まり、自衛隊が出兵。これで戦争になる。
 戦争にならなくても、誰でも自由にものが言え、表現できるというような状態という平和が保障されなくなっていくような気がする。


有償、新年度から許可期間を3年に延長

管理体制強化 対人賠償無制限加入も条件

国土交通省が平成23年から許可対象の基準を改めて運用してきた「車積載車による事故車等の排除業務」に関し、基準の見直しを行い、11月8日に通達した。見直しの大きな点は、これまで1年だった許可期間を3年に延長、加入する対人賠償保険を被害者一名当たり5000万円から無制限に引き上げの2点で、このほか研修団体の要件や実施報告などを統一し、全体として実態把握を明確にするため管理体制を整えた。来年4月の新年度から運用される。
 車積載車による事故車等の排除業務を所管している国土交通省自動車局貨物課では、今回の有償運送許可制度の見直し案を、8月中旬に各研修団体に通知し、面談などにより意見交換をしてきたうえで今回の通達に至った。以下はその概要である。

「車積載車による事故車等の排除業務に係る取扱いについて」
1.許可条件および期間について
①条件のうち取り消し事由に「有償運送許可要件」に違反した場合を追加。
②許可日から1年間を3年以内に改正。
☆制度改正後、特段大きな問題もなく、行政、研修実施団体および申請者の負担を軽減する目的から、3年以内に延長する。
期間に関しては、介護タクシーなど自家用有償旅客運送(道路運送法第七十九条の二号の「自家用有償旅客運送」)に合わせたことになる。 3年「以内」としているのは、許可期間の途中に車両の代替や増車をした場合でも、取得している期間を適用して許可されるという意味。
③許可期間満了後、引き続き許可を受けようとする場合(いわゆる更新)の許可満了日の翌日を起算日とすることを明確化。
☆運用→通達に明記。
④対人賠償保険を被害者一名当たり5000万円から無制限に引き上げ
☆事故発生時に確実な賠償を行い、被害者保険を図る観点から無制限へ引き上げる(一般貨物自動車運送事業の「参入時基準の強化」と同様の措置=後述)。
2.申請方法について
①有償運送許可申請の受付は原則として申請書の「運送しようとする期間」の始期日の3ヶ月前からとし、同始期日の1ヶ月前(標準処理期間1ヶ月)までに申請することを新設。
☆当該規定がない場合、最大で実際の許可日の1年前に申請することが可能となるが、自家用有償運送許可の標準処理期間は1ヶ月であることから、運用上支障が生じないよう通達に明記。自家用有償旅客運送も同様。
②研修実施団体が行う一括申請の際に、団体が委任状等の書類をチェックすることを明確化。
☆運用→通達に明記。
③単独申請の際に提出される研修の受講状況は、受理した際に運輸支局で受付印を押印の上、写しを交付することとする。
☆複数の支局へ申請する場合および増車の際に写しが必要となるが、申請者の負担を軽減するとともに、偽造防止の観点から新たに措置する。
④許可後に同一の研修受講をもって別の車両を新たに申請する場合(いわゆる増車)に係る手続きおよび同一の研修受講をもって複数の運輸支局へ申請する手続きを明確化。運用→通達に明記。
⑤許可証を紛失した場合等の再交付の手続きを明確化。
☆運用→通達に明記。
3.研修実施団体について
①研修実施団体の要件として「原則として全国規模の組織であること」を追加。
☆制度改正直後、研修機会が足りないとの意見が多く寄せられるため、全国機関でなくても研修実施団体としたが、現在はそのような意見はなく、行政管理の面からも今後は原則として全国規模の組織とする。
②研修実施団体が追加された場合の地方運輸局への通知を止め、ホームページへ掲載する手続きを明確化。
☆運用→通達に明記。
③実施報告をこれまでの1-12月区切りから4-3月区切りの年度報告とし、提出期限を明記。
☆研修実施団体の実施計画に合わせ、これまでの暦年を、4月から翌年3月までの年度報告とする。
④実施報告書に添付する書類の追加。
☆各研修実施団体で報告内容にばらつきがあったため、様式を統一化。
 様式は2種類あり、一様式には研修実施日時、会場、受講者数(会員・非会員別)を、二様式には、受講者の所属名、代表者名、受講者名、保険の加入額、自動車登録番号などを記して提出する。3月末締めの実績は6月末が提出期限となる。
⑤研修実施団体が研修を行わない等の場合にホームページから削除する手続きを追加。
☆研修団体は、自家用有償運送の適切な運用を行う上で、重要な役割を担うものであり、同団体が不適切な運用を行っている場合は、有償運送許可を受けようとする申請者の利便を損なうとともに、適切な制度維持が困難となることから、このような団体に退いてもらう措置。
 4.経過措置について
 改正前の許可および研修が改正後も有効であることを明記。
☆例えば今年度(来年3月まで)4研修を受け、有償運送許可の申請をしないでいた場合、来年度の申請に活用できることになる。

32名で発足 平沢勝栄氏が会長に就任

レッカー事業推進議員連盟設立総会

このほど「レッカー事業推進議員連盟」が発足、11月28日、衆議院第一議員会館で設立総会が開催された。この議員連盟は、全国車載車・レッカー事業協同組合(下沢昭安理事長、略称:NCW)の呼びかけに応じて国会議員による発起人が形成されて設立に至ったもので、業界で初めてのことになる。発足時点で、衆参両院から32名の議員が名を連ね、総会では平沢勝栄衆議院議員を会長に選出した。この会には行政から3省庁も出席し、問題提起、意見交換なども行われた。

事故発生後の避難措置が「生死の分岐点」

警察庁の警鐘 高速道路上の対人事故実態

事故や故障によって、高速道路の本線車道等に降り立った人(佇立者:ちょりつしゃ)や停止車両の車内に留まっていた人が、二次事故に遭遇するケースが後を絶たない。警察庁では各都道府県警察から事故発生時に寄せられる速報情報を元にこの実態をまとめた。またこのような緊急事態発生時にどのように対応すれば危険を回避できるのかについてもアドバイスしている。
警察庁交通局交通企画課高速道路管理室の統計によると、交通事故や車両故障によって、高速道路の本線車道等の佇立者や停止車両の車内に留まっていた人が、後続車両の衝突を受けて死亡する事故が、昨年中は合わせて49件(高速道路における全死亡事故に占める割合25%、前年対比+9件)発生している。
交通事故など緊急事態が発生した場合の避難等措置の適否が生死を分けており、この傾向はここ数年、増加傾向にあるため、全国の高速道路交通警察隊では、道路管理者と協力して各種対策を実施中としている。
佇立事故等の発生状況(警察庁調べ)
●ここ数年の特徴
① 「人と車が衝突する死亡事故」及び「車内留まり中に衝突を受ける死亡事故」が増加傾向にある(高速道路における死亡事故の4件に1件はこの形態になる)。
② 佇立・車内留まりの原因(事前の出来事)は、「交通事故」が多い。
③ 交通事故や故障など、やむを得ない事情で停止中に、停止表示器材を表示した人は皆無に近い。
※平成23年中は、自ら停止表示器材を表示したのは2件のみ(40件中)
※平成24年中は、自ら停止表示器材を表示したのは1件のみ(49件中)

災害時 レッカー業の位置づけは現状で良いのか

参院で西田議員質疑、関係各省が前向きな回答

第183回国会の参議院国土交通委員会で、西田実仁議員(公明党、選挙区・埼玉)が質疑に立ち、レッカー業の現状と産業分類における位置づけが現状のままで良いのか、という趣旨を関係省庁に投げかけた。答弁では各担当者から、前向きに検討していくという感触を引き出した。国会でレッカーが取り上げられるのは異例だが(それも良い方向で)、西田議員は以前から交流のある埼玉県レッカー事業協同組合の陳情を国会という場で代弁したもの。
国土交通行政の基本施策に関する件
主な質疑項目
•事故車両や故障車両を移動させるレッカー事業を産業として公的に位置づける必要性

西田議員 レッカー業について。東日本大震災においても被災車両の排除に全国のレッカー業者が活躍したと聞いている。一方で事前の災害協定などがなかなか機能しなかったとも聞いている。今後大きな災害が発生した場合にこのような状況では問題があると思う。
しかし現状ではレッカー業界は所管する官庁も決まっておらず、被災車両の盗難対策や保管場所などのをなかなか決めることができない。
 このような現状は日本のレッカー業というものが日本の産業分類でどのように位置づけられているかというと「他に分類されないその他のサービス業」というところに分類されていて、とくに災害発生時に大きな役割を果たすレッカー業をきちんと位置付けなければならない。
政府参考人(総務省政策統括官・平山眞氏)
産業分類はおおむね5年ごとに改定を行っており、最近では19年に改定をしている。現在、経済社会の環境変化を踏まえて、各府省の提案を募り、有識者の意見を聞きながら改定案を作成する作業中で、レッカー業についても当然、検討されるべきだと思っている。今後改定するに当たっては統計法の規定により統計委員会の考えをもとに、統計の連続性、国際性、産業規模などを判断していくことになる。
政府参考人(警察庁交通局長・倉田潤氏)
レッカー業が適切な事故車排除を行うことは非常に重要であると警察庁も認識している。レッカー事業の実態や課題などを踏まえつつ、関係省庁と連携してその位置づけを検討していきたい。
委員(国土交通副大臣・鶴保庸介氏) 
災害地域でのレッカー業の活躍については認識している。産業分類のどこに位置付けるかということは、今の説明でよくわかったので、前向きに検討していきたい。
政府参考人(経済産業省大臣官房審議官・今林顯一氏)
交通の円滑化を図るうえでレッカー業は重要な産業である。災害時にもさらに重要な役割を果たしている。このような認識に基づいて、産業分類のサービス業のなかで、レッカー業を独立して位置づけられないかということを総務省には申し入れている。

特集 レッカー産業の位置づけと規模

●ひとつの社会認知-日本標準産業分類
  存在しない「ロードサービス」

 「日本標準産業分類」は、日本におよそ650万社ある企業や事業所における産業の範囲を特定し、国勢調査などの結果を産業別に示すために用いられる。
事業所の「産業」の決定は、その経済活動によって決定するが、複数の経済活動が行われている場合は、主要な経済活動(過去1年間の販売額または収入額の最も多いもの)により決定する。
 産業分類は、大分類、中分類、小分類、細分類からなる4段階のツリー状構成であり、最新の第11回改定(平成14年実施)では、大分類:19、中分類97:、小分類:420、細分類:1269となっている。
 大分類はアルファベットで分かれ、AからDが農林水産業などのいわゆる第一次産業。E~Fが第二次産業。G~Qのサービス業が大分類でのレッカー業の居所である。大分類のLが「サービス業」で「自動車整備業」はここに含まれる。ここに分類されないのがQで「他に分類されないサービス業」となる。
 中分類は二桁の数字で表され、Q-90に「その他の事業サービス業」がある。小分類は三桁の数字となり、Q-909に、またしても「他に分類されない事業サービス業」があり、この中のQ-9099「他に分類されないその他のサービス業」があって、ようやく「レッカー事業」はここに存在する。ちなみに9099に分類される『同業』をいくつか紹介すると「新聞切り抜き業」、「鉄くず破砕請負業」、「集金業」、「取り立て業」、「陸送業」、「温泉供給業」、「箔押し業」(印刷業とは別)、「圧縮ガス充填業」(液化天然ガス、液化石油ガスもある)、「プリペイドカード等カードシステム業」、「トレーディングスタンプ業」などの20業種。
●保有台数から市場規模の推測
 日本の自動車保有台数は(16年度末)7548万3000台で、このうち稼動している車両85%とすると、6340万台になる。
日本自動車連盟(JAF)のロードサービス対象台数は1747万台と推定。年間の出動件数はおよそ300万件で、このうち、非会員向けのサービスや重複分(2台出動など)を15%とすると、255万件となり、これを対象台数で割ると、1台あたりの出動比率は15%ということになる。
 軽を含む乗用車の保有台数は560万台。これに出動比率を掛けると、5600万台×15%=840万件となる。故障比率85%、事故比率15%とすると、故障は714万件、事故は126万件になる。
作業料金の単価を故障出動8000円、事故出動15000円で計算すると、
故障:741万件×8000円=571億2千万円、事故:126万件×15000円=189億円、合計760億2千万円になる。
トラック・バスについては上記の741万台をベースに全車稼動とし、出動比率15%とすると出動件数は111万件になる。故障:事故の比率も同等として計算すると、
故障=95万件、事故=16万件で、作業料金の単価は、故障15000円、事故40000円とすると、故障:95万件×15000円=142億5千万円、事故:16万件×40000円=64億円、 合計206憶5千万円になる。
 先ほどの乗用車と合わせると、966億7000万円の市場規模ということができる。
 そして、JAFとアシスタンスで50%シェアということを考えると、この市場(という表現を使うが)はまだまだ取り込む余地があることになる。